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「リスペクト」っていうな! [通訳よもやま話]

別に、最近に始まったこっちゃないのかもしれませんが、会話の中で横文字が多用されることが非常に多いですねぇ。

固有名詞、専門用語などの堅い言葉で、あぁそりゃわざわざ日本語にしないほうがいいわ、というもの、日本にはない考え方で上手い日本語がみつからないから、カタカナのままにされているような言葉(マネジメント、コミットメント、イニシアチブみたいなやつね)もあれば、?なんでそこで横文字使うの?日本語でいいじゃん、ってものまでいろいろありますねぇ。

なんでそこでわざわざ、って横文字の中にはオイラのセンス的に「アリ」なものと「ナシ」なものものがありまして、はい。ここ最近でオイラとして、「ナシ」なカタカタ言葉の最右翼が、リスペクトなわけです。

日本人なら「リスペクト」じゃなくて「尊敬」だろが!

大体、キョウビの若者が、「○×リスペクト」みたいな言い方してるのって、何となく、「俺様も結構いけてるけど、その俺様が、俺様の鋭いセンスで認めてやっている○×さん」みたいな高飛車なニュアンスを感じてしまい、その辺の微妙な思い上がり感(そして多くの場合勘違い感)がいけてないなあーなどと漠然と思ってましたが・・・。

最近ふとした拍子に、なんでそう思うのか理論的な裏付けを発見しました。
完全に後付けって話もありますが(笑)

とある外人がMIXIという巨大SNS(Social Network Site)で、「尊敬」の意味を取り違えていたのがきっかけだったんだけど、そこは本筋とは関係ないので説明は省略して・・・。
 

Respectの意味を英和辞書で調べてみましょう。

Respect --n 1 敬意、尊敬、・・・
            2 尊重、重視、注意、関心・・・
     3 点、箇所、細目、関係、関連・・・
(動詞のほうの意味は省略)

単純にRespectっていっても実はいろんな意味が内包されていますねー。
で、英語Respectって行った場合尊敬って意味だけじゃくて、2の尊重って意味もあるとこに注目。

尊敬と尊重の差は?

誰かを尊敬するってのは、基本的には相手を自分より高いもの、優れたものとみなした上でそれを尊び敬うことですよね。それに対して尊重するってのは、相手を必ずしも上であるとみなしているわけでなく状況によっては対等あるいは下に見ていることもある表現なんじゃないかと。

彼の言う事も尊重しようよ 
We should pay respect to what he says.

と言った場合、話し手がその彼のことをあんまり尊敬してないことも十分ありえますね?
世の中、尊敬できない人でも尊重せざるを得ないことはままあるわけで(笑)

整理すると、

尊敬=自分より上の人を尊ぶ気持ち
Respect = 尊敬+尊重 = 相手に対する目線の高さは必ずしも関係なく、相手を重要であると認める気持ち

言い換えると、

元々、尊敬という言葉のほうが、Respectという言葉より相手を敬う気持ちの強い言葉

だということになるんじゃないかと思いますな。
(あるいは、「尊敬」のほうが、より純粋に上の人を敬う事を意味している、といいますか・・・。)

英語で話している時に、I respectってのは全く持ってオッケーでしょう。もともと「尊敬」って意味表すのにも、フツーに使ってたわけですから。ところが、我々ジャパニーズが、日本語で話している時は、「尊敬」って言葉がきちんと存在するにも関わらず敢えて「リスペクト」とか、言ってるのを聞くと

「尊敬」ってほどじゃないけどまあRespectぐらいはしてやるぜ
といった風にとらえてしまうのは邪推ってもんなんでしょうかね??

ちなみに英語だと、respectより強い言葉としては、admire (admiration), reverenceなどという言葉もありますな。admire は称賛、敬服などと訳されます。reverenceはかなり宗教的なニュアンスが強いですねー。どちらも単なるrespectよりは全然強い尊敬の念を表す言葉だと思われます。

どうせなら、admireって言葉も日本で流行らせちゃえばいいのに。

ヘイ、ブラザー、そいつはリスペクトなんてもんじゃないぜ、アドマイアだぜ!

・・・無理あっかなぁー・・・?


英語←→日本語の言葉の関係って複雑で、単語(&フレーズ)が一対一で結びつかないことが殆ど。
特にこういう観念的な言葉は、辞書的には同じ意味であってもニュアンスが違うことがあるので、なかなかに気をつける必要がありますな。

最後に、respectについて、オイラの大好きな曲の歌詞を抜粋


Aretha Franklin - Respectより


I'm out to give you all my money
but all I'm askin in return, honey,
is to give me my proper respect
when you get home, yeah baby,
when you get home.

お金ならいくらでもあげる
でも、その代わり、お願い、ハニー
家に帰ってきたら、
私にちゃんとRespectを下さい

このRESPECT日本語に訳しづらいよなあぁー。

All I'm asking is to give me my proper respect.

これを「尊敬」って訳しちゃうと何か

だいなしになっちゃうような気がします。

 


 


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銭衝

「微妙な思い上がり感」というBYP?のギタリスト さんの定義にリスペクト!(^^;)
アートな方々は「オマージュ」ってのもよく使いますよね(フランス語?)。かくいう私も恥ずかしながら昔は使っていました。その実、ほとんど「パクリ」と同義語だったのではと反省していますが……。
by 銭衝 (2005-08-17 20:51) 

丸尾 一平

銭衝さんご無沙汰です。お元気ですか?
オマージュって言葉も確かにありますね。こちらは自分的にはあまり抵抗ないかもしれません。「リスペクト」よりはカタカナ言葉として歴史が古いからかですかね?ノーケアでした(笑)

これは、敬意という意味と、敬意を持って創った本歌取り的な作品のことを指す言葉ですよね?自分も今ひとつ良く意味が分ってなかったので、今慌てて国語辞書引いてみました。まだまだオイラも勉強が足りませんねぇ。
by 丸尾 一平 (2005-08-18 00:39) 

MIKA

今回のトピすごく考えさせられました。最近確かにそういう風に意味を取り違えて使ってる日本人が多いので、そのうち正式な日本語が薄れていってしまうんじゃないかと思いますよね。もうすでに薄れてきてる気もしますが。
↑の歌詞も、BYP?ギタリストさんの言うとおり、「尊敬」と訳したらちょこっと本来のニュアンスというか、Feelingが伝わってこないですよね。
翻訳って難しいなぁ
こっちで生活してると、そういう微妙な感情を表すときに、「日本語の方が伝えやすいな」とか「英語のこの言葉に合う日本語がないな」とか結構考えます。
とても勉強になるのでこれを機会に色々悩み考え大きくなろうと思っていますです(笑)
by MIKA (2005-08-18 08:50) 

丸尾 一平

MIKAさん、MIXIのほうにもコメント、ありがとうございます。
勉強になるとは恐縮です。結構強引な理論展開で、MIXIのほうでも突っ込みコメントを受けて冷や汗ものですなー(笑)

同じような意味の言葉でも、英語と日本語って言葉の意味の守備範囲が違うというか・・・要はニュアンスが結構違っていたりするので、通訳者としては苦労のしどころなわけですー。
by 丸尾 一平 (2005-08-18 19:34) 

ひじき

すごく楽しく読ませてもらいました!おもわずクスリとしてしまい癒されました。

しかもすごく勉強になりました。
僕も、言葉の微妙なニュアンスに興味があるのでこれからも訪れさせていただきます笑
by ひじき (2006-10-01 21:05) 

tyokusenn

概ね内容には同意します。
しかし、一つだけ気になったのは
SNSは(Social Networking Service)ではないでしょうか?
by tyokusenn (2007-08-04 22:42) 

丸尾 一平

tyokusenn様、

コメントにてご指摘、ありがとうございます。

確かに、おっしゃるとおりです。

適当なこと書いてましたね。恐縮です。
by 丸尾 一平 (2007-08-09 18:36) 

momonga1

難しいでつぉね

英語の日本語訳はそれ自体が、「訳」なんでつから

どの様に訳そうがネイティブではないし、

日本の造語文化?を肯定する?しない?

キャー。。。この文自体に才能なすorz

おじゃまでつたぉ

すまそorz
by momonga1 (2007-09-25 00:23) 

野牛十宇部江

リスペクトは目上には使えない 語だそうだぞ

be up toが目上を尊敬するという意味で
by 野牛十宇部江 (2008-05-17 12:23) 

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